睡眠時無呼吸症候群
Sleep apnea syndrome
Sleep apnea syndrome
当院では睡眠時無呼吸症候群の検査・治療をおこなっています。
睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)とは、大きないびきを特徴とし、睡眠中に呼吸が何度も止まってしまう病気です。睡眠時無呼吸は、上気道(空気の通り道)が閉塞することにより起こります。閉塞の原因は、首周りの脂肪の沈着、扁桃肥大、アデノイド、気道へ舌が落ち込む、舌が大きい(巨舌症)、鼻が曲がっているなどがあげられます。欧米人の睡眠時無呼吸症候群の患者さんは肥満している人がほとんどですので肥満が原因だと思われがちですが、日本人の中には顎が小さい(小顎症)ため気道がふさがれやすく、肥満体型ではないのにSASの方もいらっしゃいます。ですので、睡眠時無呼吸症候群の患者さん全員が太っているわけではないのです。
約3%の人が睡眠時無呼吸症候群であるといわれており、実際に治療している患者さんはその10%程度といわれています。寝ている間のことなので自分では気づきにくい病気ですが、日中の強い眠気が交通事故や労働災害の原因となるだけでなく、治療せず放置すると心筋梗塞や心不全などの循環器疾患、脳梗塞、高血圧、糖尿病などの疾患を合併する危険が高まります。
米国での調査によると、SAS患者の交通事故発生率は通常の人の約7倍といわれており、また重症SAS患者は通常の人に比べて死亡率は約4倍、脳卒中、心筋梗塞を発症する確率は約5倍にのぼるといわれています。
まず問診でSASが疑われた場合、自宅でできる簡易検査を行います。手の指や鼻の下にセンサーをつけ、いびきや呼吸の状態などからSASの可能性を調べます。普段と同じように自宅で寝ていれば測定できますので、仕事や日常生活など普段と変わらず過ごすことができます。
簡易検査で特に重症であること(1時間当たりの無呼吸の回数が40回以上)が判明すればこの時点でSASであると判断され、CPAP療法が保険適応となります。また、1時間当たりの無呼吸の回数が40回以下の場合でも症状からSASが疑われるときには、PSG検査(ポリソムノグラフィー検査)を行います。これは簡易検査よりもさらに詳しく、睡眠や呼吸の「質」の状態を調べる検査です。当院では、PSG検査についても自宅で検査が可能な機器をお勧めしています。PSG検査で1時間当たりの無呼吸の回数が20回以上であればCPAP療法が保険適応となります。CPAP療法とは、寝ている間に専用のマスクを装着し、装着したマスクから空気を鼻に送り込んで睡眠中に気道が塞がらないようにする治療法です。CPAP治療は空気を送り込むことで閉塞を防ぎますので、いびきや昼間の眠気などの症状は劇的に改善します。また、CPAP治療は無呼吸を防ぐことにより、高血圧の改善や糖尿病の改善などにも効果があることが分かっています。
当院では、問診により睡眠時無呼吸症候群が疑われた場合、ご自宅で可能な検査をお勧めしております。下記の症状に心当たりのある方は、まず簡易検査をお勧めします。お気軽にご相談ください。
下記の症状はSASの主な症状です
思い当たる症状がある方はご相談ください